TEEDDAチームの研究概要

研究概要図

本チームは、エネルギーに関する地球情報、そしてエネルギー需要の状態や変動をそれぞれ理論で説明できる科学要素として捉え、これらの学理基盤の確立を通じてエネルギーマネジメントシステム(EMS)に貢献することを目的とします。特に、EMSの重要項目である地球科学に関する研究と需要に関する研究をチーム全体で推進することで、以下の問いに対する解を得ることを目指しています。

地球情報とエネルギー需要の融合研究は、世界に類を見ないまったく新しい研究の枠組みです。

TEEDDAチームの研究内容

本EMS領域の特徴は異分野科学の融合展開である。本チームは、第1研究期間の2.5年間をシステム、制御、通信、エネルギー、社会科学、地球科学など多くの異分野間の相互理解を深める場とし、成果を上げてきた。平成27年度から始まる第2研究期間の5年間では、分散協調型EMS領域全体のポートフォリオのなかでの本チームの役割を意識し、地球科学と需要科学を得意とする研究チームの特長を十分に活かしつつ、他分野とも協調を図りながら研究を実施する。具体的な研究項目と実施方法を次に箇条書きで示す。

1. 衛星データ解析システム(東海大、JAXA-東大、千葉大)

  • 気象衛星等を利用した日射量準リアルタイム解析推定システムを高度化させる。具体的には、新型ひまわり8号に対応させ、地表面日射量を世界規模で算定する。
  • 衛星データの利便性を向上させ、さらに開発システムの現業展開のための検討を実施する。

2. モデルによる地球物理量算定システム(JAXA-東大)

  • 大循環モデルMIROC、非静力大気モデルNICAMを本課題に適用する。
  • 現時点での全球、あるいは21世紀中の任意の時点、任意の場所における、日射量、風ベクトル、地表面温度を算定するシステムを開発する。

3. 品質保証とデータ異常検出(千葉大)

  • 地上観測システムSKYNETや気象官署データ等を利用して、衛星観測やモデル計算で得られた各種地球物理量の精度検証を行う。
  • 想定外の衛星日射データの異常を検出するシステムを構築する。

4. 気象データの変動解析(東海大)

  • 日射量等の変化の特徴を定量化する指標についての研究を実施する。

5. シナリオデータの作成(担当グループ:JAXA-東大)

  • 将来気候予測シミューレションデータによる将来気候の適用も視野に入れながら、エネルギー供給と需要に関わる制御、予測等の理論と技術を評価するための基礎データを、状況シナリオに基づいて整備する。

6. エネルギー需要モデルの開発(阪大)

  • 時系列のエネルギー需要および分散協調型EMSにより調整可能な可制御負荷の大きさ・応答速度を分オーダーで予測するエネルギー需要モデルを開発する。また、モデルを向上させるための精度検証を実施する。

7. 需要データプラットフォーム構築に向けた分析(東大生研)

  • 分散EMSの評価に有用な需要データの収集および精査を行い、その物理的特性や消費者の受容性を考慮した可制御性の検討を行う。さらにすでに構築したHEMSモデルの実際のサイトへの適用を試み、ロジックの簡素化、実運用への道筋を明らかにする。

8. 需要家行動モデルの開発(東工大)

  • 分散EMSの評価に有用な需要データの収集および精査を行い、その物理的特性や消費者の受容性を考慮した可制御性の検討を行う。さらにすでに構築したHEMSモデルの実際のサイトへの適用を試み、ロジックの簡素化、実運用への道筋を明らかにする。

9. 需要家情報の整理(阪大、東大生研、東工大)

  • これまでに得られた、あるいはこれから取得する需要家データを整理する。

10. データ・インタフェース(全グループ)

  • 本研究領域におけるデータ提供、データ共有等の方針立案に協力するとともに、それらの方針に沿いながら本チームが算出・取得したデータを共有化するためのデータの標準化を行う。また、そのデータを利活用するためのデータ・プラットフォームを開発する。

11. 異分野との交流(全グループ)

  • 計測制御、電力、地球科学など異分野間の相互理解を深めるという基本方針に沿い、本研究チームの特長を活かしつつ、本EMS領域内他チームとも協調を図りながら研究を実施する。

12. 研究取りまとめ(全グループ)

  • チーム内外における情報交換を適宜行いながら、各研究者が連携しながら研究を進めるための研究マネージメントを実施する。また、各年度末および最終年度の研究取りまとめ等を実施する。
地球科学の研究イメージ エネルギー需要科学の研究イメージ


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