■プロフィール

東海大学情報技術センター特定研究員
出身:中国・上海市
学位:博士(理学)[名古屋大学]
身分:EarthCARE博士研究員

■留学に至った経緯

私は中国・上海市出身で、中学生の頃から日本文化に興味を抱き、日本語を独学し始めました。大学では大気科学を専門とし、気象学研究に必要な基礎知識の他、Fortranなどの地球科学界隈の必須スキルを身につけながら、日本語スキルもより一層磨きをかけていました。そうした中、日本に留学する気持ちが自然に芽生え、大学卒業とともに現実となりました。

■大学院での研究

大学卒業後に来日した私は、2012年4月から院生として、名古屋大学大学院環境学研究科・甲斐研究室に在籍しました。甲斐研究室では、中国やモンゴルに位置する砂漠から発生する黄砂や土砂粒子などのアジアダスト、及び都市大気汚染に注目し、研究活動を行いました。私が本格的にリモート・センシングに触れるのも、その時からでした。ダストや大気汚染物質の動きをモニタリングする手段として、地上ライダー(レーザーレーダー)やシーロメーター、サンフォトメーター、そしてCloudSatやCALIPSOを始めとした衛星ライダーのデータの大量処理と分析は日常茶飯事であり、博士学位を得るまでの5年半の間、私は甲斐研究室でそれらの勉学と模索に没頭しました。その成果として、モンゴル・ウランバートル市の冬季における深刻な大気汚染を対象に、日本国立環境研究所(NIES)が現地に設置するAD-net地上ライダー及びエアロゾルサンプラー、モンゴル気象水文環境研究所(IRIMHE)が提供する気象データなどを用いて解析を行い、特徴的な地理的環境における汚染物質発生のタイミングを正確に捉え、冬季接地逆転層の発展及び汚染物質の滞留への影響を解明しました。研究結果は2本の論文に掲載し、そのうちの1本は幸運なことに、後に日本大気環境学会の論文賞を受賞しました。

■東海大での研究内容

東海大では,宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同で開発を進める地球観測衛星EarthCARE(2021年度に打ち上げ予定)に関する研究プロジェクトに関わります。主な研究テーマとして、衛星に搭載される4つの観測センサーのうちに、多波長イメージャ(Multi-Spectral Imager;MSI)のアルゴリズムの開発・プロダクトの品質改良に従事します。


○モンゴル訪問時の写真

中島研究室 – Nakajima Laboratory – "Dialogue with Blue Planet"
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